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日本の半導体関連株にはどんな種類がある?(製造装置・素材・後工程)

世界シェアを誇る日本勢。
4分類で整理する投資家のための半導体マップ

日本の半導体関連株の全体像

日本の半導体関連株は、半導体チップそのものを製造するメーカーだけでなく、チップを作るための装置・材料・後工程を担う企業まで含む幅広いカテゴリです。むしろ日本企業が世界市場で圧倒的な競争力を持つのは、製造装置と材料の分野です。

「半導体株を買いたい」と思ったとき、企業がサプライチェーン上のどの位置にいるかによって、景気感応度・収益構造・リスク特性が大きく異なります。装置メーカーは設備投資の増減に敏感で、材料メーカーは出荷量の変動に動き、半導体メーカーは製品の販売価格と在庫に左右されます。

本記事では、日本の半導体関連株を4つに分類し、それぞれの特徴と投資の観点を整理します。

4分類の詳細

日本の半導体関連株は、大きく次の4つに分類できます。

分類役割主な製品・技術代表的な日本企業(例)
①前工程製造装置ウェハー上に回路を形成する工程の装置を製造・販売成膜・エッチング・洗浄・塗布現像・熱処理装置東京エレクトロン、SCREEN、芝浦メカトロニクス
②材料ウェハー・薬液・ガスなど製造に使う素材を供給シリコンウェハー・フォトレジスト・特殊ガス・研磨材信越化学工業、SUMCO、JSR、東京応化工業、トリケミカル研究所
③検査・後工程装置チップの性能試験・切断・研磨・実装を担うテスター・ダイシング・CMP・レーザー検査・実装装置アドバンテスト、ディスコ、レーザーテック、ニコン(露光)
④半導体メーカーチップ(ロジック・メモリ・センサー)を設計・製造・販売マイコン・パワー半導体・イメージセンサー・フラッシュルネサスエレクトロニクス、ローム、ソニーグループ(センサー)、キオクシア

④の半導体メーカーは「川下」に近く、製品の販売価格や需要の変動を直接受けます。一方①の製造装置は「川上」に位置し、半導体メーカーの設備投資計画に左右されます。川上ほど設備投資サイクルへの感応度が高く、業績の振れが大きくなりやすいという特性があります。

日本が世界シェアを持つ強み

日本の半導体関連産業が世界で高い競争力を持つのは、長年の技術蓄積による素材・装置の技術的参入障壁が理由です。

  • シリコンウェハー:信越化学工業・SUMCOが世界シェアの5〜6割超を占め、「2社寡占」と言えるレベルの市場支配力を持つ。
  • フォトレジスト(感光材):JSRや東京応化工業などが世界シェアの7〜8割を占める。最先端EUVリソグラフィ向けのレジストは特に高い技術難易度。
  • 洗浄・成膜装置:東京エレクトロンは特定の装置カテゴリで世界トップシェアを持ち、代替が困難な技術資産を有する。
  • テスター(半導体試験装置):アドバンテストはSoC(システムオンチップ)テスターで世界首位クラス。AI向けHBM試験需要でも存在感が高まっている。

この強みは、世界中の半導体ファウンドリが日本製の装置・材料なしには最先端チップを作れないという事実に集約されます。米中対立による輸出規制の影響を受けつつも、代替困難な技術力が日本企業の交渉力の源泉です。

各分類の投資特性

分類ごとに収益構造・リスク特性・注目指標が異なります。投資する際は自分のスタンス(短期・長期、リスク許容度)に合わせた分類選びが重要です。

  • 前工程製造装置:受注→出荷のリードタイムが長く(6か月〜1年以上)、受注残高が業績の先行指標になる。設備投資の増減で業績が大きく振れる高ボラティリティ銘柄。好サイクルの初期が最も株価が動きやすい。
  • 材料:出荷量(ウェハー枚数・薬液使用量)に連動し、装置よりも安定した収益構造。ただし価格交渉力は顧客(半導体メーカー)の規模に依存する部分もある。長期保有向き。
  • 検査・後工程装置:AI向け先端パッケージングの需要増で注目度が高まっている。テスターはAI/HBM需要の影響を受けやすく、ダイシングはウェハー出荷量と連動する。
  • 半導体メーカー:製品価格・在庫水準・市場シェアの変化が業績を決める。パワー半導体(EV・インフラ向け)、イメージセンサー(スマホ・車載向け)など用途別に動向が異なる。

政策・ラピダス(経産省の動向)

経済産業省は「半導体・デジタル産業戦略」のもと、国内半導体産業の振興に向けた政策を積極的に展開しています。主な施策は次のとおりです。

  • TSMC熊本工場支援:世界最大のファウンドリ・TSMCが熊本に工場を設立。第2工場も稼働準備が進む。地場のシリコンウェハー・薬液・装置メーカーへの需要波及が期待される。
  • ラピダス(Rapidus):2nm世代の先端ロジック半導体の国産化を目指す新設ファウンドリ。北海道・千歳市に建設中で、2020年代後半の量産開始を目指す。目標実現には多くのハードルがあるが、国策半導体として政府の支援継続が前提となっている。
  • 補助金・研究開発支援:経産省は装置・材料・パッケージング技術の国内開発を支援する補助金制度を設けており、対象企業の設備投資判断に影響を与える。

政策の進捗・補助金の動向は、経産省の公式ページや各企業の適時開示で随時確認できます。政策が追い風になる局面では、特に装置・材料メーカーへの設備投資需要が押し上げられる可能性があります。

銘柄の選び方

日本の半導体関連株を選ぶ際の実践的なポイントをまとめます。

  1. まずサイクルの局面を確認するシリコンサイクルの今がどの局面かで、有利な分類が変わる。設備投資が伸び始める局面は装置株、サイクルが安定している局面は材料株が安定しやすい。
  2. 分類ごとの感応度を把握する:装置株はハイリスク・ハイリターン、材料株は比較的安定、半導体メーカーは製品価格次第——というリスク特性の違いを念頭に置く。
  3. AI需要の恩恵を受けるか確認する:先端パッケージング(HBM・CoWoS関連)へのエクスポージャーが大きい企業は、AI需要の恩恵を受けやすい。決算資料で用途別売上比率を確認する。
  4. 地政学リスクの影響を確認する:中国向け売上比率が高い企業は、輸出規制の強化で業績に直接影響が出る可能性がある。

注意すべきリスク

日本の半導体関連株への投資では、次のリスクを特に意識する必要があります。

  • 設備投資サイクルのリスク:顧客の設備投資計画が変わると、装置・材料の受注が急変動する
  • 地政学・輸出規制リスク:米中の規制強化が日本企業の対中輸出に影響を与える可能性
  • 為替リスク:ドル建て輸出が多く、円高になると業績が圧迫される
  • 集中投資のリスク:特定の分類や用途に偏ると、サイクル変調時のダメージが大きくなる

リスクの詳細は半導体株に投資するリスクは?避けるべきタイミングは?で詳しく解説しています。

株ニューでの活用

株ニューは、登録した半導体関連銘柄(装置・材料・後工程・メーカーを問わず)の決算短信・業績予想修正・受注に関する適時開示を、AIが3行に要約してLINE・メールで即時通知します。

分類ごとに注目すべき情報が異なります——装置株なら受注残の変化、材料株なら出荷量コメント、メーカー株なら製品価格動向。株ニューの通知で各分類の変化点をリアルタイムに把握し、保有銘柄の動向を素早く確認できます。

出典・参考(一次情報)

※ 外部サイトのURLは執筆時点のもので、リンク切れが生じる場合があります。

執筆者

袴田 格

袴田 格Hakamada Itaru

エイジラボ株式会社 代表 / 株ニュー編集長

メガバンクを経て外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして勤務。決算短信・適時開示・海外ニュースを毎日大量に読み込み、機関投資家向けに投資判断を提供してきた経験を持つ。証券アナリスト試験(筆記)合格

「いかに早く、重要な情報だけを抽出できるか」という機関投資家の視点を、AI技術で個人投資家にも届けるべく株ニューを運営。

元メガバンク元外資系運用会社アナリスト証券アナリスト試験 筆記合格

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